標高差:591m
累積標高差:848m

2014年04月26日(当時64歳)


日本の滝百選に戻る
日本三百名山に戻る

群馬県利根郡片品村
登り:6時間07分(龍宮小屋経由)
下り:5時間25分
トータル:11時間40分
(休息時間含む)
ウィキペディアから
  この山はもともと、登山道がなかったために、密生しているササをかき分けて斜面を這いずるようにして登らねばならなかった。 この「這いずる」というものが訛って「へえずる」となりやがて「けいずる」となったことから景鶴山となったと伝えられている。 一度は登山道も拓かれ、多くのガイド本でも紹介され、笹ヤブが雪に隠れる季節などにはスキー登山などのために登ることができていた。 しかし現在は登山道も廃道になり、さらにそもそも土地所有者の尾瀬林業が入山を認めていないため登山は一切できず、その山体を尾瀬から眺めることしかできない状況となっている。
Road Map :名神道、中央道、長野道、上信越道、関越道を経てR120、R401から鳩待峠に入る。
Route Map:鳩待峠から山の鼻に下り、尾瀬ヶ原を縦断して関電小屋から景鶴山を往復する。
日本三百名山』 尾瀬ヶ原の縦断は長かったが、それなりの価値はあった。
あるきっかけで景鶴山へ
  日本三百名山を目指すと言いながら、難しい山は避けようとしていた。 そこに、栃木の山友から年間登頂の計画表が送られて来て、そこに3回目の ”景鶴山”が入っていた。 2回も登られているガイドが同行してくれるのなら、俺にも行けるかも知れない。 こんなチャンスは2度と無いだろう。 自宅から尾瀬までは遠いので会社を休んで行くことにした。 俺の同行を山友も快く了承してくれた。 お蔭で諦めていた ”景鶴山”に登ることが出来た。
鳩待峠は日本一高い駐車場代
  日本百名山制覇途中で ”至仏山”に登った時、その駐車場代の高さに2度と来ないと誓ったものであるが、又、来てしまった。 燧ヶ岳登山口の御池駐車場も千円と高いが、何日居ても千円で済むが、鳩待峠の駐車場は1日目が2千5百円、2日目からは更に千円取られる。 このクソ高い駐車場代は何なんだ。 高くてもみんなが来るからいけないんだ。
今日の温泉は無し
  前回、宿泊施設のお風呂に入らせて貰ったが、今日は風呂抜きで着替えだけで寝てしまうことにする。 寒いので風呂抜きはあまり気にならなかった。

前日の移動
  05/26の早朝5時20分に自宅を出発、高速道路土日半額を利用する為に、沼田IC手前の赤城SAで車中泊にする予定であるが、朝早くで過ぎて赤城SAに着いたのは13時25分、ここで夜中0時まで時間を潰すことになる。 チューハイを飲んで17時半には就寝。 0時過ぎに沼田ICを出て1時30分に鳩待峠に着く。

235〕景鶴山 (2,004m)
けいづるさん
残雪で登山道が判らず、ハイカーが好き勝手に歩いているので
そこかしこに踏み跡があり、正しいコースは判り難い。
栃木の山友とは鳩待峠の駐車場で会うことが出来た。
鳩待峠にてアイゼンを付けて明るくなって来た4時45分に出発する。気温は3℃であるが、昼間は暑くなるだろうとW・Bのみで山の鼻に
向けて下って行く。
川上川の沢音を聞きながら穏やかな下り道を進んで行く。
低温のお蔭で雪面は硬くしまっており、今のところ、
ワカンの必要はなさそうだ。
”鳩待峠”から ”山の鼻”まで下ると、”至仏山”が綺麗に見えていた。
雲一つ無い晴天で、この天気が続いてくれれば、明日は ”至仏山”に登ぼろうと思っている。
雪焼けが心配なので日焼け止めをたっぷりと塗っておく。
   どこまでも続く ”尾瀬ヶ原”を縦断して行く。
”景鶴山”はまだ見えていないが ”燧ヶ岳”を目指して
進んで行けば間違いはなさそうだ。
俺がコースで判っているのは ”ヨッピ吊橋”を渡って対岸を歩く。
だけであるが、今日の相棒は ”景鶴山”を3回目
なので信頼して付いて行く。
晴天下の ”至仏山”はべっぴんさんであった。 明日も晴れてくれよ!
 橋があると両端の木道が剥き出しになっているので、その周囲では
  落ち込みに注意しながら歩く。 登り時にドボンはしたくない。
小さな亀裂はあるが、別段大したことはなかった。
何回見ても同じ山なのであるが、何度も振り返り見てしまう。
前方に見え続けている ”燧ヶ岳”は逆光でシルエットだけに
なってしまっているが、”燧ヶ岳”だと言うのは良く判る。
左手に ”ニュー岩”が特徴的な ”景鶴山”が見えて来たが、
しばらくは平行に ”東電小屋”を目指して進む。
3度目の木製橋を渡る。 沢は水量がたっぷりで渡渉は困難である。
個人的にはそろそろ左に寄って行かないと思っていたのだが、山友は真っ直ぐに歩き続けて行く。
少しは口に出すが、ここには2度来ている山友に大きな声では言えなかった。
ケイヅル沢に入り、真ん中の尾根筋から登る直登コースは東電小屋からのコースより1時間短縮出来るらしいが、
雪崩が多く、踏み跡も無いだろうから登りたくはなかった。 幸いに山友も同じ考えで安心した。
  道間違いの序でに ”龍宮小屋”を見に行ってみる。 人の姿は見えな
いが営業はしている様だ。 この道を真っ直ぐに行けば  ”燧ヶ岳”に行ける。 ヨッピ吊橋へは、ここを直角に左に曲がる必要あり。
2時間05分にて、心配した通りに ”龍宮小屋”に着いてしまった。
道間違いで30分ロスして ”ヨッピ吊橋”を見付ける。
この橋が大きなポイントであり、これさえ見付ければ、
後は道間違いは無いと思われる。
前方に ”景鶴山”を見ながら踏み跡の無い雪原を進んで行く。
右側に大きな沢があり、進む道は限られている。
次のコース目標である ”東電小屋”が見えて来た。
想像以上の立派な建屋で、ペンションの規模だった。
  冬季の ”ヨッピ吊橋”は踏み板が外されており、アイゼンで
L字チャンネルの鉄骨を渡って行く。 ワイヤーロープがあるので
      転落はしないだろうが、アイゼンでは歩き難い。
我々と違い通常コースで歩かれて来たおじいちゃんに追い付かれてしまった。 御歳は72歳のジジーだが、やたら足が早かった。 逆に言えば我々が遅いだけかも知れない。 日本三百名山制覇まで後少しらしい。
        2時間59分にて ”東電小屋”に着くが、
             まだ営業はしていない様だ。
これまで喋り続けていたが、二人共に無口になってしまう。
後から知ったことであるが、ここを通らなくて迂回出来るルートが
あるらしい。 山友はそれを知っていたのに・・・
東電小屋から ”笹山”(1,538m)への登りを舐めていたが、
これがきつく堪えた。
”笹山”から鞍部に下りて行き、稼いだ標高差を吐き出す。
この鞍部にS・Cコースがあるらしいが、標識等は一切無しだった。
ほぼ ”笹山”に登り切った地点から振り返り見る。
大した距離ではないが、これが随分と堪えた。
登り途中から振り返り ”尾瀬ヶ原”を見る。
霞んではいるが地図を見る様に歩いて来たコースが良く判った。
先行者の踏み跡あり。 ”入山禁止の山”らしく、道標もテープも何もない。
適当に登って先へ進むだけ。
ここまで来ると ”至仏山”に代って、
常に ”燧ヶ岳”を間近に見ることになる。
”与作岳”付近から ”景鶴山”が見えて来たが、まだ随分と遠い。
澄み切った展望が欲しかったが、見えているだけでも感謝しなくては・・・
”与作岳”頂上付近で、あれが ”平ヶ岳”と教えて貰う。
”平ヶ岳”に対しては良い印象を持っていない。
いよいよ、”景鶴山”直前に来た。 少し下って、左の稜線に取り付く。
稜線に取り付く。 先のナイフリッジはネットで知ってい
たが、恐いのか、恐くないのか不安な気持ちになってくる。
気温の上昇と共に残雪は緩み、ナイフリッジの真ん中を歩か
ないと、踏み抜く恐れがある。 でも、本当に恐かったのは、
あのヘソ岩を過ぎてからだった。 ヘソ岩とは勝手に命名し
ている。
岐阜から来られた72歳のジジー(下村さん)がもう下りて来た。
こんな元気なジジーがいるから、足の遅いのを歳のせいに出来ないのだ。
この後も何度か出会うことになる。(彼は足が早いが休憩が長い)
この上でガイドを連れた7名程の団体さんとすれ違うが、
場違いのメタボおばさんも参加していた。 ガイドさんも大変だ。
”内田裕也”ではないですよ。 山頂には誰も居なかったので、2人並んでの
記念写真は撮れなかった。 よくぞ、こんな山に3度も来るものだ。
6時間07にて ”景鶴山”(2,004m)に着く。 山頂直下には踏み抜きのある残雪があった。 ここに登れたのはひとえに山友のお蔭である。
山頂からは360°の大展望。 多くの日本三百名山が見えていた。
眼下の残雪にはきれつが沢山入り、雪崩の準備が始まっている様だ。
何度も見ている ”燧ヶ岳”(2,356m)の全容。
眼下の ”ヘソ岩”の手前の雪が緩み結構危険だった。
眼下に広がる ”尾瀬ヶ原”を見る。
下に見える ”景鶴沢”が直登コースの一端だろう。
”平ヶ岳”(2,140m)の右側には ”会津駒ヶ岳”(2,133m)も見えていた。
ヘソ岩周辺は雪が緩み踏み抜いてしまうので、要注意だった。
  長時間掛けて山頂に来たが、帰りも長いので8分休憩して下山する。
山頂直下の直角で下が見えない崖を下る。 相棒はピッケルなので軽く下ったが、ストックでは難儀した。 ここは滑落しても死にはしない。
ナイフリッジは離合困難なので、下でハイカーが待っていてくれた。
後はナイフリッジを消化すれば危険箇所はない。
展望山としては一級山だった。
登り下りが多いので下山している感じはしないが、残雪が緩み始めた
雪面を下って行く。 折角、持って来たワカンは出番無しだった。
ちょっと、くどいか。
登り時に見付けることが出来なかった ”与作岳”(1,933m)の
山頂標識に出合えた。 ここで先程の7名のパーティが休憩していた
ので、一緒になって展望を楽しむ。
この先で鞍部まで下りて ”笹山”に登り返すことなく、
右側の沢に下ると難なく、 ”尾根ヶ原”に下りることが出来た。
なんで最初にこの道に案内してくれんかったん?
贅沢な下山路であるが、長丁場で足は疲れてきた。
”ヨッピ吊橋”を渡った所に若者4名が休憩していた。 山頂下の鞍部で滑降準備をしていた山スキヤーだ。 至仏山ではもの足りなくて、景鶴山を滑りに着たらしが、あっと言う間に滑り終わってしまったらしい。
”ヨッピ吊橋”に戻り、対岸に渡る。
後は長く退屈な雪原を戻るだけであるが、
勾配が無いとは言え足は疲れる。
この時間にハイカーが続々と歩いて来る。 多くのハイカーは
小屋に泊って早朝から ”景鶴山”、或いは ”燧ヶ岳”に
アタックする様だ。 今日の山小屋は満員なんだろう。
”至仏山荘”でゆっくりしてみないなー。
下山3時間52分にて ”山の鼻”に戻る。
休息所横には結構な数のテント村が出来ていた。
今の所、緩やかな登りであるが、標高差、たったの190mの
最後の登りに2二人共、喋ることが出来ずに忍の一字となる。
前回の ”至仏山”登頂時にも思ったが、下山時の登りなんて最悪だ。
鳩待峠に向けて沢沿いの緩やかな道を登って行く。
雰囲気は最高なのだが、体力的に限界に来ている。
下山5時間25分にて ”鳩待峠”に戻る。 お疲れ様でした。
何とか難しい山を登ることが出来ました。 有難うございました。
食堂の食事提供は終っていたが、頼み込んで山菜うどんを作って貰う。
塩味の出汁が堪らなく美味かった。
早朝の駐車場は真ん中までびっしりの駐車だったが、帰宅組みが多いの
か随分と空いていた。又、今夜にはどんどん車が入って来るのだろう。
お互いの酒を持ち寄って、山談義を肴に2人でミニ宴会をする。
2014年度のミニ遠征
04/26 04/27 04/27
景鶴山 至仏山 吹割の滝
2024年5月29日改定